28 September 2022

シンガポール発のサービス EnerScale、太陽光パネル循環型経済創出に向けた実証実験を日本で開始

シンガポール発のサービスであるEnerScaleは、太陽光パネルの大量廃棄問題を抱える日 本でリユース・リサイクルの必要性が高くなることを見据え、実証実験の対象を日本にも 拡大いたします。 本プラットフォームは、稼働中の太陽光パネルの情報を可視化し、発電データやメタデー タを用いてパネルの劣化や状態などを解析することで、リユースやリサイクルの事前評価 を可能にします。日本での実証実験では、プラットフォーム上で太陽光パネルの適正な事 前評価をした上で、(1)運営事業者とリユース・リサイクル業者の国内取引、(2)シンガポ ールの大学・研究機関やEnerScale加盟ネットワークの50社以上の企業とクロスボーダ ー取引を実現する仕組みの構築を目指します。

EnerScale解析A

EnerScale解析B

EnerScale解析C

■なぜ EnerScale を提供するのか

気候変動対策や不安定電力地域において、再生可能エネルギー、特に太陽光発電の利用が 拡大しています。国際再生可能エネルギー機関IRENAによると、1.5°C気温抑制目標を実 現するためには2050年までに14,000GW以上の太陽光発電導入が必要とされていま す。また、世界では20億人以上が不安定な電力で生活していると言われており、特に途 上国では手頃な価格の再生可能エネルギーが大きな役割を果たすと期待され、導入が進ん でいます。一方で、IRENAは太陽光パネルの累積廃棄量が2050年までに世界で7,800 万トンに達し、日本は中国、アメリカに次いで、累積廃棄量が世界3位になると予測して います。日本の太陽光パネル廃棄問題は、既に表面化しており、国立研究開発法人新エネ ルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、日本国内における太陽光パネルの年間排 出量は、2035~2037年頃にピークを迎え、年間約17~28万トンにも達する見込みで す。太陽光パネルの大量廃棄を回避するには、リユースおよびリサイクル市場を確立する ことが急務となっています。

また、太陽光パネルを再利用するためには、使用済み太陽光パネルを特定し、回収・精査 に必要なコストを負担することになります。さらに、業界の安全基準に従って使用済み太 陽光パネルを分類、テスト、および修理する必要があります。このような情報の不透明性 やコスト負担、仕組みの複雑化によって、まだ使用できるはずの太陽光パネルも廃棄処理 されているのが現状です。

EnerScaleはパネル回収前の段階で太陽光パネルの情報可視化・解析・評価をする事で、 フローを改善し、グローバルかつ透明性のある循環型経済(サーキュラーエコノミー)の確 立を目指します。

■EnerScale では何ができるのか

AIやデータマイニングを活用し、電力データから太陽光パネルの状態を評価するアルゴリ ズムを構築しています。そして、気象条件や地理条件などの外部データソースを統合する ことで、様々な国や環境で使用されている太陽光パネルを体系的に評価、識別、分類可能 なスキームを構築し、リユース・リサイクルの評価をします。現在はベータ版のため、パ ートナー先に合わせてデータ加工や解析項目のカスタマイズ・サポートを実施しています。

今後のバージョンアップでは、運営事業者とリユース・リサイクル業者の取引システム(ク ロスボーダー含む)、設置済み太陽光パネルの国・地域別データによる品質予測やリユー ス・リサイクル発生予測の機能追加を予定しています。

【本件に関するお問い合わせ先】
  • 事業に関するお問い合わせ: biz@enerscale.co (事業開発担当)
  • 報道に関するお問い合わせ: press@enerscale.co (広報担当)